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瓦がズレる原因は?葺き土・固定方法と正しい修理方法

瓦がズレる原因は、瓦そのものの割れや変形だけではありません。瓦の下にある葺き土、瓦桟、釘やビスといった見えない固定部分に原因が隠れていることが多く、外から見える瓦を戻すだけでは再びズレてしまうことがあります。

この記事では、土葺きと桟瓦葺きの違い、瓦がズレる5つの原因、放置した場合のリスク、差し替えから葺き替えまでの修理方法の選び方を、実際の調査写真とあわせて解説します。

「屋根の瓦がズレていますよ」と指摘された。あるいは、地上から見上げたときに瓦の列が波打って見える。そのような場合、瓦そのものが古くなったと思われるかもしれません。

しかし、瓦がズレる原因は瓦の割れや変形だけではありません。土葺きの屋根では瓦の下にある「葺き土」、桟瓦葺きの屋根では瓦桟や釘・ビスなど、見えない固定部分に原因がある場合があります。

このほか、地震、台風や強風、施工状態、屋根上での作業なども瓦が動くきっかけになります。そのため、外から見える瓦だけを戻しても、固定部分に問題が残っていれば再びズレる可能性があります。

この記事では、屋根修理専門店「雨漏り24」が、実際の調査写真を使いながら、瓦がズレる主な原因、放置するリスク、修理方法、費用を左右する条件を解説します。

突然訪問してきた業者の指摘だけで契約しないでください

「近くで工事をしていて瓦のズレが見えた」「すぐ直さないと落ちる」などと突然訪問し、契約を急がせる点検商法があります。その場で屋根へ上げたり契約したりせず、地上から自分でも確認し、別の業者にも相談しましょう。

最初に確認したい「土葺き」と「桟瓦葺き」の違い

瓦屋根は、すべて同じ方法で固定されているわけではありません。原因を考える前に、代表的な工法の違いを知っておくことが大切です。

工法 主な構造 ズレたときに確認する部分
土葺き 屋根面に葺き土を置き、瓦をなじませて葺く伝統的な工法 葺き土の痩せ・崩れ、瓦の固定、下葺き材、野地板など
引掛桟瓦葺き 屋根に取り付けた瓦桟へ瓦の爪を掛け、釘・ビスなどで留め付ける工法 釘・ビス、瓦桟、瓦の爪、下地、施工時の留め付け状態など
棟部分 屋根の頂部や斜めの取り合い。葺き土・南蛮漆喰・金物など、年代や仕様で構成が異なる 棟瓦、漆喰、土や南蛮漆喰、銅線・金物・ビス、下地など

外観だけでは工法や内部の状態を判断できないことがあります。「瓦がズレたから葺き土が原因」と決めつけず、屋根の年代、施工方法、ズレた場所を確認する必要があります。

土葺き屋根では瓦の下の「葺き土」を確認する

土葺き屋根では、瓦の下にある葺き土が乾燥や経年変化によって痩せたり、崩れたりすることがあります。瓦を支える状態が変わると、瓦が動きやすくなる場合があります。

土葺き瓦屋根で瓦を外し葺き土の状態を確認している様子
▲瓦を外して確認した葺き土。外から見えないため、必要に応じて瓦の下まで調査します(弊社調査時に撮影)

ただし、屋根面の葺き土と棟内部の土は、役割や納まりが同じとは限りません。漆喰が剥がれて棟内部の土が露出している場合は、表面だけを塗り重ねるのではなく、棟瓦のズレや固定状態も確認します。

棟瓦の漆喰が剥がれて内部の土が露出した状態
▲棟の漆喰が剥がれ、内部の土が見えている状態。棟瓦の並びや固定状態も合わせて確認します

瓦がズレる主な5つの原因

原因1葺き土の痩せ・崩れ

土葺き屋根では、葺き土の状態が変化すると瓦が安定しにくくなる場合があります。部分的なズレに見えても、周囲の葺き土や下地まで確認することが大切です。

原因2釘・ビス・瓦桟など固定部分の不具合

桟瓦葺きでは、釘やビスの留め付け、瓦桟、瓦の爪などを確認します。施工年代や仕様によって固定方法が異なり、必要な箇所が十分に留め付けられていない場合や、下地が傷んで固定力が低下している場合があります。

原因3地震による揺れ

地震の揺れによって瓦や棟が動くことがあります。地震後に瓦の列が崩れた、棟が蛇行した、瓦の破片が落ちている場合は、地上から確認し、屋根へ登らず専門業者へ相談してください。

原因4台風・強風・飛来物

強風による風圧や、飛来物の衝突によって瓦が浮く、割れる、ズレる場合があります。屋根の端部、棟まわり、切断した瓦などは、固定状態を含めて確認します。

原因5屋根上での作業・歩行や施工状態

アンテナ工事、太陽光設備の工事、過去の補修などで瓦が動いたり、踏み割れたりする場合があります。また、瓦の納まりや留め付けが適切でないと、風や揺れをきっかけにズレることがあります。

瓦がズレて重なり部分に隙間が生じた屋根
▲瓦の重なりが乱れ、下の部分が見えている状態。ズレの範囲と固定状態を確認します

2022年以降の新築瓦屋根について

2022年1月から、新築建築物の瓦屋根では、瓦屋根標準設計・施工ガイドラインに準拠した緊結方法が告示基準に位置付けられています。既存屋根は施工年代や仕様が異なるため、現在の基準だけで状態を判断せず、実際の固定方法を確認します。

瓦のズレを放置するとどうなる?

瓦がズレたからといって、すぐ室内へ雨漏りするとは限りません。瓦の下には下葺き材があり、雨水を排出する役割があります。ただし、ズレによって通常より多くの水が入り、下葺き材や下地にも傷みがある場合は、雨漏りにつながる可能性があります。

瓦のズレが広がる 一枚のズレによって周囲の重なりや納まりが変わり、隣接する瓦が動きやすくなる場合があります。
下葺き材・下地へ水が回る 下葺き材の破れ、穴、劣化などが重なると、野地板や屋根裏へ雨水が達する可能性があります。
木部が傷む 濡れた状態が続くと、野地板や垂木などが傷み、修理範囲が広がることがあります。
瓦が落下・飛散する 固定力が低下した瓦は、強風や地震をきっかけに落下・飛散するおそれがあります。人や車、近隣建物への被害にも注意が必要です。
瓦の重なり部分がズレて隙間が開いた状態
▲瓦の重なりに隙間が生じた状態。下葺き材や周囲の瓦も合わせて確認します

自分でできる確認と危険な行動

安全な地上や窓から見える範囲だけを確認してください。双眼鏡やスマートフォンのズームを使う場合も、道路へ出たり、窓から身を乗り出したりしないようにします。

  • ✓瓦の列が波打っている、飛び出している部分がないか
  • ✓棟瓦が蛇行している、傾いているように見えないか
  • ✓庭、ベランダ、雨樋に瓦や漆喰の破片が落ちていないか
  • ✓天井、壁、押し入れにシミやカビのような臭いがないか
  • ✓地震や台風の前後で屋根の見え方が変わっていないか

次の行動は避けてください

  • 自分で屋根へ登って瓦を戻す
  • 脚立から屋根や雨樋へ手を伸ばす
  • 原因が分からないまま瓦同士をコーキングで固める
  • ブルーシートを自分で屋根へ掛ける
  • 突然訪問した業者へ、その場で点検や工事を依頼する

瓦のズレを直す主な方法

修理方法は、工法、ズレた範囲、瓦の破損、固定部分、下葺き材、野地板の状態によって変わります。

瓦の差し替え・ズレ直し

ズレや破損が限定的で、周囲の固定部分と下地が健全な場合に検討します。瓦を戻すだけでなく、ズレた原因と必要な固定方法を確認します。

棟の取り直し

棟瓦のズレ、漆喰の広範囲な剥がれ、内部材や固定金物の不具合がある場合に、棟を一度解体して組み直す方法です。表面の漆喰だけを塗り直す方法が適切とは限りません。

葺き直し

既存瓦を一度取り外し、下葺き材や瓦桟などを改修して、再び瓦を葺く方法です。瓦を再利用できるかは、種類、破損、施工方法などを確認して判断します。

葺き替え

瓦や下地の傷みが広範囲に及ぶ場合などに、屋根材を撤去して新しい屋根へ交換する方法です。ズレだけを理由に、必ず葺き替えが必要になるわけではありません。

瓦のズレ修理の費用は何で決まる?

瓦のズレ修理は、瓦一枚の見た目だけでは費用を判断できません。次の条件によって調査・工事費用が変わります。

  • ズレた瓦の枚数と範囲
  • 平部、軒先、棟、谷まわりなど施工場所
  • 土葺き・桟瓦葺きなど既存の工法
  • 瓦の差し替え、棟取り直し、葺き直し、葺き替えなど工事方法
  • 既存瓦を再利用できるか、同じ瓦を用意できるか
  • 下葺き材、瓦桟、野地板など下地の状態
  • 屋根の高さ、勾配、足場の必要性
  • 搬入・搬出、廃材処分の条件

見積書では、「瓦補修一式」だけでなく、施工場所、数量、工法、足場、廃材処分、追加費用が発生する条件を確認してください。緊急時を除き、複数社の調査結果と工事範囲を比較することも大切です。

瓦のズレに関するよくある質問

Q1. 瓦が一枚ズレただけでも修理が必要ですか?

ズレの程度、場所、固定状態によって異なります。一枚だけに見えても、周囲の瓦や下地が動いている場合があります。屋根へ登らず、写真を撮って専門業者へ相談してください。

Q2. 瓦を元の位置へ戻せば直りますか?

固定部分や葺き土、瓦桟、下地に問題がなければ位置調整で対応できる場合もあります。しかし、原因が残っていると再び動く可能性があるため、瓦の下と周囲を確認します。

Q3. 漆喰を塗り直せば瓦のズレも直りますか?

漆喰補修だけでは、すでに動いた棟瓦や固定部分の不具合を直せない場合があります。漆喰の状態だけでなく、棟の並び、内部材、金物などを確認して工事方法を決めます。

Q4. 自分で瓦を戻してもよいですか?

おすすめできません。屋根からの転落、瓦の踏み割れ、落下事故につながるおそれがあります。地上からの確認にとどめてください。

Q5. 火災保険は使えますか?

台風や強風など、契約上の補償対象となる事故が原因であれば支払対象になる可能性があります。経年劣化は原則として対象外です。地震による損害は一般的な火災保険では対象外となるため、地震保険を含む契約内容を保険会社・代理店へ確認してください。適用可否と支払額は保険会社が判断します。

Q6. 瓦がズレていると言われましたが、本当か判断できません

訪問業者の説明だけで判断せず、異常箇所の写真と場所、必要な工事の根拠を求めてください。その場で契約せず、会社情報を確認できる別の業者へ調査を依頼する方法もあります。

まとめ|瓦だけでなく工法と固定部分まで確認しよう

瓦がズレる原因は一つではありません。土葺き屋根では葺き土、桟瓦葺きでは瓦桟や釘・ビスなどの固定部分が関係する場合があります。さらに、地震、台風、飛来物、屋根上での作業なども原因になり得ます。

雨漏り24では、瓦の表面だけでなく、施工方法、固定部分、葺き土、下葺き材、下地の状態を確認し、必要な工事と見積りをご説明します。現地の基本調査とお見積りは無料です。追加調査が必要な場合は、方法と費用を実施前にご案内します。

「直らなければ0円」の保証が適用される工事については、対象工事、適用条件、免責事項を書面でご説明します。すべての調査・工事へ一律に適用されるものではないため、契約前に保証内容をご確認ください。

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